サービスの背景と地域が直面する課題
近年、日本の空き家問題は深刻化しています。総務省の「住宅・土地統計調査」(令和5年)によると、2023年の空き家数は900万戸に達し、空き家率は13.8%と過去最高となりました。
特に地方では、都市部よりも空き家率が高く、和歌山県・徳島県では21.2%、山梨県では20.5%と全国平均を大きく上回る地域もあります。また、「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」(実質的に放置された空き家)も全国で385万戸に達し、その割合は地方で特に高い傾向にあります。
このような背景のもと、全国で空き家の管理や活用の取り組みが進められています。私たちNPO法人いんしゅう鹿野まちづくり協議会も20年以上にわたり、地域の空き家の利活用に取り組んできました。
しかし、空き家を活用したいと考えているものの、空き家相談がなかなか来ないという課題がありました。これは、特に空き家活用に積極的な地域でも共通する課題です。また、地方の中山間地域では、人手・スキル・資金不足により、空き家対策の取り組みが思うように進まない現状があります。
そこで、365日24時間、誰でも気軽に相談できる窓口として「空き家未来AIナビ」を開発しました。このサービスを通じて、行政や地域団体が協力しながら地域の空き家情報を発信し、空き家を「課題」ではなく「地域の資源」として活用できる未来を目指しています。
運営団体について
団体名:NPO法人 いんしゅう鹿野まちづくり協議会
設立年:2001年(2003年法人化)
所在地:鳥取県鳥取市鹿野町鹿野1809-1
連絡先:info shikano.org
ホームページ:https://www.shikano.org/
私たちは、「子どもたちが住み続けたいと思える地域づくり」を目指し、空き家活用、景観演出、賑わいづくり、フォーラム開催、耕作放棄地対策など、地域資源を活かしたまちづくりに取り組んでいます。
これまでに40軒以上の空き家活用に関わり、移住定住支援の取り組みを通じて、人口約3000人の町に100人以上の移住者を受け入れるサポートをしてきました。また、移住者や地域の若者が連携して取り組むイベントや芸術祭も生まれ、少しずつ地域に変化をもたらしています。
協力団体・支援団体について
「空き家未来AIナビ」は、2023年に企業人の越境学習プログラムである「ことこらぼ@鳥取市鹿野町」(主催:日本能率協会マネジメントセンター)の参加者のアイデアから生まれました。このアイデアをもとに、令和6年度国土交通省空き家対策モデル事業の採択を受け、開発を進めています。
技術協力・開発協力
協力自治体・地域団体